『薔薇王の葬列』考察ブログ〜ヨークの狼少年〜

今ハマっている漫画『薔薇王の葬列』について好き勝手言うブログです。

ジャンヌと白いのの正体とは?


※本記事は『薔薇王の葬列』単行本14巻までのネタバレ&史実ネタバレを含みます。

 

 ブログ開設以前から、最初どのキャラについて喋ろうか迷っていたのですが、「折角の考察第一弾ということで、1巻から登場しているキャラを掘り下げてみたくなった(安直)ため、今回はリチャードにちょっかいを出しまくるナゾの亡霊「ジャンヌダルク」について触れてみたいと思います!

 

 整理するために説明を挟むと、作中で既に亡くなっている(百年戦争時にヨーク公に捕らえられ、イングランドを呪いながら火刑に処された)彼女は、亡霊としてリチャードの前に現れてはヘンリーへの恋心を茶化し、「その身体では愛してもらえない」と責めたてます。

 

 しかしここで疑問が湧いてきます。

「果たして彼女は何故リチャードをいじめるのか?」ということです。

 ただ単にヨークやイングランドを潰したい場合、嫡男でないうえに両性具有&ガラスのハートという致命的な弱点を持っているリチャードに絡むくらいなら、ヨーク公に取り憑いて*してしまった方が余程早く済むはずなのです。

 また、ヨークと敵対していたため、リチャードに幾らでも呪いの言葉をかけても良さそうなのにも関わらず、「彼」に対する言動はほとんどの場合

①自分の思いに正直になるよう促す」か

②良性具有の身体では愛してもらえないと責めたてる

かのどちらかに限定されており、常にリチャードの内面に関することしか言及していません。

 

 かなり小さなサイズになってしまった(スマホで保存の後拡大するか、PCでクリックするかで閲覧できると思います、すみません(>人<;))のですが、表1をご参照ください。

『薔薇王の葬列』第1部におけるジャンヌダルクの行動(基本的には主人公であるリチャードの味方か?)

 これは、「ジャンヌがリチャードの最大の味方」であると仮定したうえで、第1部(1〜7巻)での彼女の行動をまとめたものです。

 「n番目」の項目に関しては、リチャードを気遣っているフシが見られる言動に〇を、リチャードを傷つけるだけの言動に×を付けました。(左の赤丸と丸に関しては後述)

 

 〇の行動を中心に見ていくと、前述の通り「その身体じゃあ誰にも愛してもらえない」と言いつつも、「凍えはしないよ 二人で抱きしめ合えば(1巻第3話)」と、ヘンリーに対して素直になるように促したり(6)、アンを最後まで信じ抜くよう忠告(12)したりと、明らかにリチャードが「愛する人と幸せになれる」ように動いています。

 おまけに第6話では森で倒れたリチャードを抱きしめて温めちゃってます。 

 リチャードを罵倒するより、(超絶口が悪いことは否めないが)励ましている場面の方が明らかに多いのです。

 

 極め付けは第25話(14)で、リチャードとヘンリー「王」が出会すことがないように、わざとヘンリーが居ない方へ連れて行こうとしています!

 この場面でヨーク公の亡霊を止めようとするジャンヌの発言(以下、2点とも第25話(6巻)から引用)も

①「リチャードはもうあんたのものじゃない!」

→リチャードに王冠(父)への執着を捨てて欲しい

②「本当の君を知っているのは僕だけさ…」

→リチャードが心の底ではヘンリーとの幸せを望んでいることを示唆

 

 「リチャードが王冠ではなくヘンリーを望めば幸せになれること」、そしてジャンヌがそれを心から望んでいることが分かります。

 口は悪くても、彼女は一貫してリチャードの幸福を願い続けているのです!

 

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 そして、彼女と行動パターンが酷似しているキャラクターが本作品に存在します。

 そう、本編屈指の癒しマスコットキャラクター「白いの」です。

 詳細は表2内でまとめておきましたが、彼(彼女?)もまた、リチャードがヘンリーと幸せになれるように、2人が会えるよう手引きをしたり、都合が悪いときはわざと引き離したりとせっせと邁進しているのです。

 『薔薇王の葬列』における白いのの行動(基本的には主人公であるリチャードの味方か?)

 また、ジャンヌと白いのさんの登場シーンの相関を見るために、表1と表2の左に丸を付けました。赤丸は同時での登場、丸は近い場面で登場したことを示しています。

 初登場時や添い寝のシーン、10巻での初登場時を模したシーン(ジャンヌのみ登場)からして、白いのの正体は、ジャンヌの現世での姿であり、王冠に囚われたリチャードが将来、誰にも愛されない悪魔として*されるという悲痛な運命を内面&外部から全力で変えようとしていると解釈できるのではないでしょうか……?

 

 ところで第49話でセシリーが

「悪魔として生まれたとしても いつか… 神を愛しその罪を悔い改めることができれば… "人"としての道を歩めることもあるのではと僅かに願っていた…(11巻より引用※)」

 

(※息子が"ああ"なっちゃったのは十中八九おめーのせいだよ!!!!!! ……と言いたい。)

とリチャードを罵っておられましたが、これをジャンヌ風にすると

「両性具有の身体でも いつか… ヘンリーを素直に愛することができれば… 王でなく"一人の人間"として幸せになれるさ。君ももう分かっているんだろ?」

と変換できなくもないです。これが本編のテーマになるのではないでしょうか。

ファンとしてもそうなって欲s

 

 ジャンヌにはリチャードの幸せのために全力で頑張っていただきたいところではありますが、どんなに忠告しても彼が聞き入れてくれることはないでしょう。(もしかしたらハッピーエンドになるかもしれませんが)とりあえずリチャードが辿るだろう運命に対する詠嘆として、彼女の言葉を借りて締め括ることにします。

 

「あ〜あ(号泣)」

 

 

 

※もちろん第二部でもジャンヌと白いのさんは登場するのですが、分けた方が編集しやすいと判断したため今回は第一部のみ触れてみました!

 8巻〜に関しては追記もしくは別記事で書けたらいいなって思ってます。(そろそろ15巻も出るし……)

(ざっくり書くと、白いのさんジャンヌともに直接的に干渉することは減った(でも大事な時にはちゃんと忠告してくれる)印象です。某オラオラ後輩メガネ君との重要シーン的にもジャンヌさんとしてはヘンリーというよりは「リチャードが誰かと」幸せになることを望んでる気がします。)

 ……そういえば、2人とも15巻には一回も出てきませんでしたね!!!(恐怖)

 

3/10追記:論文口調変だったので普通に戻しました。表の方も若干取りこぼしを見つけてしまったので近日修正できるといいなぁ……